4.3.4 乗車所要時間の算出 以上の検討結果に基づき、実測データを利用して、乗車所要時間算出式を導出する。実測データは下記の理由により、3駅(西葛西、東陽町、茅場町)、3日分のデータをすべて統合し(図4.3.4−6)、近似式の導出を行った。 a.サンプル数が多いほど正確な式が導出できる b.駅が異なっても同一混雑度、同一乗客数に対する乗車所要時間に明確な差異が見られない c.駅毎に乗車人数に偏りがあり、三駅のデータを併せることにより相互に補完できる。 連続乗車という前提条件が守られなければ、乗車所要時間は大きくばらつく可能性があり、メッシュモデルや、映像データより導出した近似式では、近似しきれなくなる、ここでは、連続乗車が行われるという前提条件のもとに最小の乗車所要時間を求める式を導出する。 図4.3.4−6より各乗車人数における最小の乗車所要時間(特異な値は省く)を直線で近似することによって近似式を導出した。この結果各混雑度における乗車所要時間算出式は、下記の通りとなる。 a.混雑度100%の時 T(秒)=0.52*m b.混雑度150%の時 T(秒)=0.57*m c.混雑度180%の時 T(秒)=0.67*m d.混雑度200%の時 T(秒)=0.73*m e.混雑度250%の時 T(秒)=0.77*m (mは乗車人数、Tは乗車所要時間) (式4.3.3−1) この近似式は、混雑度に応じて比例係数が高くなっており、メッシュモデルの考え方と一致していることがわかる。
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